腹痛や嘔吐、下痢、便秘、のどのつかえ感、背部痛などの消化器症状の際に、お気軽にご相談いただける診療科です。
主に胃や食道、腸などの消化管、およびそれに連なる胆のう、膵臓など、広く消化器領域の病気の診断と治療を行っています。
問診および診察を十分に行った上で、各種検査(血液検査、X線検査、腹部エコー、胃カメラ、大腸カメラなど)を組み合わせ、診断と治療にあたります。
3個以上あてはまる方は一度専門医に相談しましょう。
3個以上あてはまる方は一度専門医に相談しましょう。
逆流性食道炎、胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、ヘリコバクター・ピロリ菌感染症、胃ポリープ、胃がん、潰瘍性大腸炎、クローン病、大腸がん、過敏性腸症候群、慢性便秘症、感染性胃腸炎、機能性消化管障害、胆のう炎、膵炎 など
急性胃炎とは、胃粘膜に急性の炎症を起こした状態で、胃部不快感などを伴います。
原因としては、消炎鎮痛剤などの服薬や飲酒、ストレスなどが考えられます。原因がはっきりしている場合は、その原因を取り除き、その後は症状に合わせた薬を服用します。
食べ物などの刺激により慢性的な炎症が起こり、胃粘膜が減ってしまう状態を萎縮(萎縮性胃炎)と言います。また粘膜の傷が修復される過程で、胃粘膜が腸粘膜に似たものに置き換わってしまうことがあり、これを腸上皮化生(ちょうじょうひかせい)と言います。このような胃粘膜の萎縮と腸上皮化生が慢性胃炎の本体です。
近年では、こうした胃粘膜の萎縮と腸上皮化生の発現に、ピロリ菌が大きく関与していることがわかってきました。ピロリ菌が胃粘膜に存在することで、萎縮・腸上皮化生はさらに進行していきます。これら萎縮・腸上皮化生・ピロリ菌感染の3因子が複雑に絡み合って形作られるのが慢性胃炎なのです。
ヘリコバクター・ピロリ菌、非ステロイド性抗炎症薬、胃酸などによって、胃や十二指腸の粘膜が傷つけられ、えぐられたようになる疾患です。胃の痛みや不快感を伴います。大抵は、薬の服用などで治すことができますので、しっかりと治療することが大切です。また主たる原因は、ヘリコバクター・ピロリ菌の感染と考えられており、検査をしてピロリ菌陽性であれば、除菌をおすすめします。
胃がんは、胃の壁の最も内側にある粘膜内の細胞が、何らかの原因でがん細胞に変化する疾患で、日本人が最もかかりやすいがんの一つです。早期がんは、それ自体による症状は無いため、多くは健診や人間ドックを受けた際に発見されます。毎年定期的に検診を受けることが、胃がんの早期発見のために最も重要なことです。早期胃がんの予後はとても良く、完全にがんを切除できた場合、治癒率は9割を超えます。またヘリコバクター・ピロリ菌は、胃がん発生の原因になることも判明しており、ピロリ菌が存在する場合は、胃がんリスクを減らすために、ピロリ菌の除菌が検討されます。
感染性胃腸炎とは、ウイルスや細菌などが感染して発症する胃腸炎のことで、下痢、嘔吐、悪心、腹痛、発熱などの諸症状を引き起こします。ウイルスを原因とする感染性胃腸炎に対する特別な治療法は無く、症状を軽くする対症療法が行われます。細菌が原因なら、多くのケースで抗菌薬が有効です。ほとんどは、3~5日で症状が治まってきます。
主にストレスから、腸が慢性的な機能異常を起こしている状態で、炎症や潰瘍などの器質的な病変を伴わない疾患です。下痢や便秘、腹痛、下腹部の張りなどの症状が起こります。原因は、不安・緊張などのストレス、疲労、暴飲暴食、アルコールの過剰摂取、不規則な生活習慣などです。治療は、食事療法や運動療法をはじめとする生活改善から始めますが、それでも十分な効果が得られない場合は、薬物療法が行われます。
みぞおちの痛み、食後の膨満感などの上腹部症状を訴え、しかも内視鏡検査などで症状を説明しうる器質的疾患(逆流性食道炎や胃・十二指腸潰瘍など)が無いケースを機能性消化管障害と呼びます。治療は、まず問診を通じて患者さんの社会的・精神的背景を把握し、ついで症状に関連するような生活習慣(食事、睡眠など)の指導を行います。その後、必要に応じて薬物療法を開始します。薬物療法では、まず制酸剤や粘膜保護剤などの対症療法から開始し、ついで消化管の運動機能改善薬を使用します。精神症状が強い場合には、抗不安薬や抗うつ薬を用います。
大腸がんには、大きく分けて結腸がんと直腸がんの二種類があります。
盲腸からS状結腸までにできるがんを結腸がんと呼び、直腸から肛門までにできるがんを直腸がんと呼びます。両方を合わせて大腸がんと呼びます。どちらも腸の粘膜から発生する悪性の腫瘍です。また大腸がんには隆起型と陥没型とがあり、通常、前者はゆっくりと進行するのに対し、後者は腸壁内層にいくタイプで、極めて早く進行します。大腸がんのリスクが高くなる年齢は50代からで、60代から70代においてピークに至ります。
しかし、他のがんと同様に大腸がんについても若年化が進んでおり、若いからといって油断は禁物。年代に関係無く、定期検診を受けることが大切です。
急性胆のう炎は、胆のうに炎症をきたす疾患です。症状としては、右腹部痛、圧痛、発熱があります。胆のう結石を持っている人に発症が多いと言われます。十分な補液、鎮痛剤、抗菌薬の投与を行います。手術が必要なケースもあります。
急性膵炎では上腹部の急性腹痛発作や背中の痛みが現れ、吐きけや嘔吐、発熱を伴うこともあり、重症例では呼吸困難、意識障害もみられます。
診断は症状と検査所見から行われ、
の3項目中2項目を満たし、他の膵疾患および急性腹症を除外した場合に、急性膵炎と診断されます。
軽症や中等症の急性膵炎の多くは内科的治療で治癒しますが、重症急性膵炎では死亡率が20~30%と高く、専門医療機関で治療する必要があります。